私を包む,不器用で甘い溺愛。
連れていかれたのは,思いがけず外で。
目的地が告白をされたあの場所だと気付いた私は,少しだけ焦る。
榛名くんと鉢合わせてしまうかもしれない……!
「あ,あの……」「うん,ここでいいかな」
「え?」
「あ,ううん。何でもないの」
どこから話そうか。
そんな苦悩の表情を浮かべる甚平くん。
そんなに深刻な話を私にと,心配になりそっと声をかけようとした私。
だけど
「朝から様子がおかしかったから,今まで黙って見てたけど……どうしても今,言っておかなくちゃいけないんだ」
ー三宅榛名とは,関わっちゃいけないよ。
その言葉が,私の動きをぱちりと止めた。
……え……?
甚平くんの大事な話が,どうして榛名くんに関わるの……?
榛名くんが,何だと言うの?