私を包む,不器用で甘い溺愛。
初めての告白
三宅榛名くん。
同じ図書委員の後輩で,私のひとつした。
にもかかわらず,いつも落ち着いている彼は長身で,話そうと思えば見上げざるをえない。
相変わらずのイケメンね……
ほぅっと見惚れる私。
白い肌に,骨ばった身体。
猫目の上には太めの眉があり,口の右下にはちょんと黒子がある。
「青春じゃないですか」
にこりと笑うと,また1つ愛嬌がプラスされて。
かっこよくも可愛い,榛名くんはそんな人間だった。
「もうっもしかしてずっと見ていたの?」
「はい」
悪びれもしないのだ。
そんな榛名くんに私も弱くて,つい小さく声を漏らしてしまう。
「青春……とかは分からないけど,確かにびっくりしたわ。どうして私,だったのかしら」
「どうしてそんな風に思うんです? 俺,ありすは大分綺麗だと思いますけど」
「そうなの,昔から褒められるのはこの真っ黒で絡まないロングヘアーだけ。でも,それが恋に繋がるとは思えないわ」
私は至って平凡。
特出した技術や能力もないため,特徴も少なく。
寧ろ人前で直ぐにあがってしまうのを直したいと思っているくらい。
甚平くんと私では,あんまり正反対だと思うの。