私を包む,不器用で甘い溺愛。
紗side
紗side
「すず,ちょっと話しあんだけど,いい?」
あら,坂本くんじゃない。
そんな真剣な顔しちゃって,珍しいこともあるものね。
でも
「ここでいいでしょ? 誤解されるのはごめんよ。それはお互いでしょうけど」
「……いいよ,ここで。来栖さんが来る前に済ませたいんだ」
「……へえ」
不敵にっと笑う。
初めてじっくりとよく見る,甚平というクラスメート。
顔は……確かにイケメン。
でも
「単刀直入に言うと,どうやら来栖さんはよりにもよって2年の三宅榛名なんかに騙されてる様なんだ」
こんな真っ直ぐな男,私の好みでもきっと有栖の好みでもないわ。
少し屈折してるくらいが丁度いいの。
「すずだって知ってるだろ,その榛名だ。名前と違って何にも可愛くない,その最悪な榛名。どうも本人も自覚する通り,少し他とズレている可愛らしい所を利用されたらしい」
……いいえ,前言撤回。
そう,寧ろ,屈折しまくって,全てを善に変えてきた男だからこその今なのね。
聞き流していたはずの言葉が耳を通り,私ははぁとため息をついた。
「だからすず……」
こんなにイラッとしたのは久しぶりだわ。
「すず,ちょっと話しあんだけど,いい?」
あら,坂本くんじゃない。
そんな真剣な顔しちゃって,珍しいこともあるものね。
でも
「ここでいいでしょ? 誤解されるのはごめんよ。それはお互いでしょうけど」
「……いいよ,ここで。来栖さんが来る前に済ませたいんだ」
「……へえ」
不敵にっと笑う。
初めてじっくりとよく見る,甚平というクラスメート。
顔は……確かにイケメン。
でも
「単刀直入に言うと,どうやら来栖さんはよりにもよって2年の三宅榛名なんかに騙されてる様なんだ」
こんな真っ直ぐな男,私の好みでもきっと有栖の好みでもないわ。
少し屈折してるくらいが丁度いいの。
「すずだって知ってるだろ,その榛名だ。名前と違って何にも可愛くない,その最悪な榛名。どうも本人も自覚する通り,少し他とズレている可愛らしい所を利用されたらしい」
……いいえ,前言撤回。
そう,寧ろ,屈折しまくって,全てを善に変えてきた男だからこその今なのね。
聞き流していたはずの言葉が耳を通り,私ははぁとため息をついた。
「だからすず……」
こんなにイラッとしたのは久しぶりだわ。