クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。




「うおぉぉー!くるみぃぃぃ~!元気でなあぁぁ!」


「あ、あはは……。うん…」



なんて、今生の別れみたいに言ってくるのは、もちろん私のお兄ちゃん。



「ひっさしぶり~、美世ちゃん!」


「久しぶり~瑠美!」



…お母さん2人組は、仲がよいのだとか。



「この子が胡桃ちゃん!?あらあら、すごい美少女じゃない!」



「1ヶ月間、お世話になります」



ペコリ、深くお辞儀をした。



(って…美少女!?私が!?)



「そそそんな!私、美少女じゃないです…」


「…謙虚なところがめちゃくちゃいいわね。胡桃ちゃん可愛い~!」



「…わ!」


ぎゅっと勢いよく抱きつかれてしまった。


(美世さん、すごくいい香り…)


少し言われていることがよく分からなかったけれど、悪い印象を与えなくて良かった。


とりあえず、その事に安心してほっと息をついた。



「ーーー」


「ーーー」



お母さんたちは、久しぶりみたいだから会話が弾んでいるみたい。


一方、私の方は……。



「胡桃、ちゃあんと部屋と窓の鍵は閉めるんだぞ。それに、髪はすぐに乾かせ。息子くんにあまり近づき過ぎるなよ。あとーーーー」



つらつら、ペラペラ。お兄ちゃんからの言い付けがいっぱい。ここに来るまでに、一体何回言われただろうか。両手では数え足りない気がする…。



(…なんでそこまで言うんだろう…?)


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