クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
…って、あ!大事なこと忘れてた…!
「1ヶ月、お世話になります…!これ、カップケーキなんですけど…」
手に持っていた、大きめの紙袋を美世さんに差し出した。
「あら!すっごく美味しそう!もしかして…これ、手作り?」
「はいっ…!お口に合うか分かりませんが…」
実は綾瀬家に来る前に、カップケーキを作っておいたんだ。ちなみに料理は得意な方だと思う。
「ありがとう。胡桃ちゃんと一緒にお料理できそうね~」
「はいっ、ぜひ!」
(楽しそう…っ!)
「とりあえず、今日は大変だっただろうし、部屋に荷物置いて来た方がいいわね。まだ息子も帰ってないし」
「はいっ、お気遣いありがとうございます」
なんだか、急にここに住むという実感がわいてきた。今では、不安もあるけどわくわくしている。
ーこのときまでは、そう思ってたんだ。
「じゃあ、お部屋案内すーーー」
ガチャリと、玄関の扉が開く音がした。
(もしかして、息子さん…!?)
「あ、噂をすれば。帰ってきたみたい」
リビングの扉が、ガチャリと開かれた。