クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
「ただいま…」
「おかえり~」
挨拶をしようと、がばっと頭を下げた。
「あ、あのっ、お世話になる夢野胡桃です…!1ヶ月よろしくお願いします…!」
「……」
…相手からなかなか返事が帰ってこない。
(やっぱり、他人が家に住むの嫌かな…)
その事に不安を持ち始めた頃、
「……っ、は?」
ーすっとんきょうな声が聞こえた。
(なんでそんなに驚いてーーー?)
ぱっと、顔を上げると、
「ーーーーえ」
学校1のモテ男子が、目の前にいたのでした。
◇
「あ、綾瀬くん…!?」
まてまて。とりあえず状況を整理しよう。理解が追い付かない頭で必死にぐるぐる考える。
(えっと…)
綾瀬家に住まわせてもらうことになって、それでーー
(あ、“綾瀬”)
しかも息子。そして、美世さん。
どうして今まで気づかなかったのか。こんなにヒントが転がっていたのに。
原因なら私にある。だって、
(てっきり年下かと…っ)
そう。年下だと思っていたんだ。まさか同い年、しかも同じクラスの隣の席の人と実質同居するなんて。そんなの聞いてないよ…っ。
ほんとはお母さんが言っていたんだけど、私は上の空だった。
だからあんなにお兄ちゃん心配して、お母さんは語尾に♡マークが付いていたんだ。
今さらながらに、とても後悔した。