クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
(…てことは、これから1ヶ月、綾瀬くんと一緒っていうこと…!?)
「あれ、2人知り合いだったっけ?」
緊迫した雰囲気を感じ取ったのか、美世さんが尋ねてきた。
その質問に、綾瀬くんがぶっきらぼうに答える。
「…同じクラス」
「まあ!じゃあちょうど良かったじゃない!」
(美世さん、何もちょうど良くないよっ…。)
ー“綾瀬 弥生は女嫌い”
そんな噂を今思い出した。そうだ、彼は女嫌いなんだ。
「じゃあ弥生、胡桃ちゃんに部屋案内してきてね」
私は綾瀬くんについていくことになった。美世さんのひと言に、綾瀬くんの周りがすこし氷ついたのは、私しか知らない話。
◇
「…ここ、お前の部屋」
「あ、ありがとう案内してくれて……」
…ふ、不機嫌極まりない…。とにかくこの空気が気まずいよ。
とにかく何か話しかけないとっ…。
「あ、あのーー」
「あのさ、俺らが一緒に住んでること、絶対誰にも言うなよ」
「う、うん」
それとーー
「俺の部屋、絶対入るなよ。それと、話かけんな」
それだけ言い残して、バタンと扉は閉められた。
(ひ、ひぇ…)
ーわくわくなんて、前言撤回。不安しかない。
前途多難。私、とんでもない所に来てしまったのかもしれません。