クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
「「いただきまーす」」
2人で食べ始める朝ごはん。
…うんっ。やっぱり誰かと食べるともっと美味しい~。
惚けていた私に、お母さんからの衝撃のひと言が落ちてきた。
「…あ、そういえば胡桃。今日の夜からお母さんたち、旅行に行ってくるから」
「…、へ?」
り、旅行…!?急すぎない…!?
「い、いつまで…!?」
「うーん、1ヶ月くらいかしら?」
いっかげつ…。な、長いよ…。
くじ引きで当たったのよ~♡なんて言って上機嫌の母とは反対に、私の周りの空気はどんより暗い。
「お、お兄ちゃんは……?」
藁にもすがる思いでお兄ちゃんを見つめる……が、
「ごめんな胡桃…」
すごく申し訳なさそうな顔で謝られた。
お、お兄ちゃんまで…!?
てことは私、1ヶ月家にひとりってこと…!?
「大丈夫よ~。綾瀬さんのお家で1ヶ月住まわせて貰うことが出来るから。息子さんもいるって♡」
綾瀬さん…。たしか、お父さんの会社の上司さんだっけ。仲がいいって言ってた気がする…。
ひとりじゃなくて良かった…。
息子さん、何歳かな?仲良く出来たらいいな…。
「ーーー」
この後お母さんが何かを話していたなんて、これからの生活に思いをはせていた私は気づかなかった。
そして、聞いてなかったことを後々後悔することも。