クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
「おはよう胡桃!」
「おはよう、希ちゃん」
今日も学校に登校して、クラスに入ってからすぐに希ちゃんに挨拶をする。
希ちゃんは、サラサラの黒髪ストレートの清楚系美人さんでしっかり者…なのだが、
「くるみぃ~。今日も可愛い~!!」
お兄ちゃんと同じで、少し残念なところがある。そんなところも、私は大好き。
だけど……
「私、可愛くないよ?」
どうしてこうも、2人して「可愛い」って言うのかが分からない。
希ちゃんなんて学年問わず学校のモテモテ女子だし。お兄ちゃんも、本当に血が繋がっているのかってくらいイケメンさんだし。
茶髪のくせっ毛と色素の薄い茶色の瞳を持つ私なんかよりも、希ちゃんの方がすっごく可愛い。
「…あーあ、これだから無自覚は…」
希ちゃんは額に手を当ててため息をついた。
「何か言った?」
「ううん、何でもない」
体調悪いのかな…?
「具合悪いなら保健室付き添うよ?」
「…私って今日具合悪かったの?」
「具合悪いから大変そうなんじゃないの…?」
そう言ったら、またまた希ちゃんはため息をついて、ボソっと呟いた。
「…無自覚な上に天然って……ほんっとに心配だわ。まあそこが胡桃の可愛さでもある」
私には、この言葉は届かなかったけれど。