クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。





「おはよう胡桃!」


「おはよう、希ちゃん」



今日も学校に登校して、クラスに入ってからすぐに希ちゃんに挨拶をする。


希ちゃんは、サラサラの黒髪ストレートの清楚系美人さんでしっかり者…なのだが、



「くるみぃ~。今日も可愛い~!!」



お兄ちゃんと同じで、少し残念なところがある。そんなところも、私は大好き。


だけど……



「私、可愛くないよ?」



どうしてこうも、2人して「可愛い」って言うのかが分からない。


希ちゃんなんて学年問わず学校のモテモテ女子だし。お兄ちゃんも、本当に血が繋がっているのかってくらいイケメンさんだし。

茶髪のくせっ毛と色素の薄い茶色の瞳を持つ私なんかよりも、希ちゃんの方がすっごく可愛い。



「…あーあ、これだから無自覚は…」



希ちゃんは額に手を当ててため息をついた。



「何か言った?」


「ううん、何でもない」



体調悪いのかな…?



「具合悪いなら保健室付き添うよ?」


「…私って今日具合悪かったの?」


「具合悪いから大変そうなんじゃないの…?」



そう言ったら、またまた希ちゃんはため息をついて、ボソっと呟いた。



「…無自覚な上に天然って……ほんっとに心配だわ。まあそこが胡桃の可愛さでもある」



私には、この言葉は届かなかったけれど。





< 5 / 74 >

この作品をシェア

pagetop