クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
◇◇◇
この出来事から数日。
「あ、ごめん胡桃、それとって」
「え!?あ、はははいどうぞ綾瀬くん!」
ぴと、と渡すときにお互いの指が触れちゃうあるある発生。
(~っ!!!)
すぐさま、ばっと大袈裟に体ごと反対方向に方向転換する。
「……ありがとう」
そして怪しい目で私のことを見る綾瀬くん。
お察しの通り、私、いつもと違います。
もうこんなやり取りも何回したかわかんない。
(ごめんなさい、綾瀬くんっ…)
でも反射で動いちゃうんだから仕方がないんだもん…っ。
なんでか、あの出来事から綾瀬くんを直視できず、“弥生くん”呼びも上手くできず元通り。
そしてなんでか分からないけれど、
(綾瀬くん、いつもよりキラキラしてないっ……?)
謎がたくさん。
落ち着いて、落ち着いて普段通りに……。
あれ、普段通りってどうやってするんだっけ…っ?
もう、意識しちゃってることバレバレな気がする……。
「何かあった?胡桃、」
「~~っ!!ごご、ごめんなさいーっ」
そして最終的には逃げ出してしまう始末。
だって、“胡桃”って呼ぶときにすごく甘い気がするんだもん…。
恥ずかしくって、心臓もばくばく。
最近の私はおかしいです。