クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
◇
もう、あっという間に放課後。
「じゃあね、胡桃。一緒に住む子と仲良くなれるといいね」
「うん!ばいばい、また明日」
希ちゃんにはこれからの3ヶ月の生活のことを話しておいた。相談とか、あったら聞いてもらおう。
今から家族が離れたところに行ってしまう不安を抱きながら、私はとぼとぼ帰り道を歩き、玄関の扉を開けた。
「…、うわあ」
すごく多い荷物。玄関からの廊下への道が見事に塞がっている。
(ほんとに行っちゃうんだ…。寂しいなあ…)
「…あ、胡桃お帰りなさい。今から綾瀬さんのところに挨拶して、それから私たち行くからー」
「…うん、わかった」
(3ヶ月。たった3ヶ月なんだから、しょんぼりしてちゃダメだよね…。綾瀬さんのところの息子さんと、仲良く出来るようにがんばらなくっちゃ)
私も準備にとりかかった。
何が必要なんだろう…。
服と、タオルと歯みがきセットと…。
(……あ、あれも持っていかないと)
準備がさっきよりも寂しさは薄れていて、今からの生活を少し楽しみに思えるようになっていた。