迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。

翌日、会社に出社するとなにやら皆がザワザワとしている。

特に女性が数人ずつで嬉しそうに、塊をつくり話をしている。
ちょうど理子が出社してきたので話を聞いてみた。

「おはよう、理子。なんか皆がいつもよりザワザワしているけど何かあるの?」

すると、理子は聞かれるのを待っていたかのように話し出した。

「私もさっき総務の子に聞いたんだけど、なにやら今年もインターンが来るらしいのよ。」

「インターン?別に珍しく無いよね?」

インターンと言えば、蓮も昨日インターンの話をしていたばかりだ。
理子は口角と片眉を上げて話を続ける。

「それがさぁ、私もまだ見てないけど、驚くほど可愛い男の子が来るらしいのよ!成績も優秀で、ぜひこの会社に入社して欲しいって、いつになく担当も張り切っているらしいよ。」

「ふぅ~ん。みんな暇だねぇ。」

可愛い男の子は見てみたいが、そんなに話題にするほどなのだろうか。

「そういえば、唯はあんまりイケメンに興味ないよね。CEOも見たことない!とか言ってたもんね。」

「そうそう。だってそんなイケメンに憧れたって、現実には私達と関係ない人達じゃない。」


その日のお昼少し前。

総務課の人事担当が営業部へと入って来た。
うちのマネージャーと何か話をしている。

少しして、マネージャーが立ち上がり、部内の私達に向かって声を上げた。

「これから、営業部にインターンが2名研修でくるそうだ。今日から少しの間、営業部の仕事について教えてやってくれ。」

インターンとは、理子が教えてくれた男の子たちなのだろうか。



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