迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
少しして、営業部の入り口から男の子と女の子の二人が入って来た。
皆が二人を見るなり、ザワザワコソコソと話し始めた。
この子たちが皆が騒いでいたインターンに来た子なのだろうか。
私も皆の隙間から、その二人の事を覗いてみることにした。
しかし、その子たちを見た瞬間に呼吸が止まった。
驚きで息を吸うのも忘れてしまうほどの衝撃だ。
(…ど…ど…どういう事!!)
その子たちは私達に向かって挨拶を始めたのだ。
「宮森 花(みやもり はな)です。よろしくお願い致します。」
「僕は、橘 蓮(たちばな れん)です。よろしくお願いします。」
挨拶で名乗った名前は、まぎれもなく、私の知っている蓮なのだ。
美少年の蓮を見て女性社員は目が釘付けになっている。
しかし、女の子の宮森さんも、かなりのアイドル顔でおじ様方は鼻の下が伸びているようだ。
私が驚きで固まっていると、後ろから理子が駆け寄って来た。
「ゆ…ゆ…唯!!れ…れ…蓮君だよね!!」
私は理子に振り返るなり、コクコクと細かく頷いた。
まだ驚きで声が出ないほどだ。