迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
理子は少し興奮して話し始めた。
「ねぇ、蓮君がうちの会社にインターンに来ることは知ってたの?」
私は理子をじっと見つめながらゆっくり話し始めた。
「うちの会社とは知らなかったけど、蓮君が昨日、玲也さんのマンションまで送ってくれた時に、どこかの会社にインターンで行くと話していたのは聞いてた。」
「そうなんだ、偶然だね。」
「理子、…それに、もっと重大な事が…今、分かった。」
私はあまりの驚きで顔色が悪くなっていたようだ。
「…どうしたの?唯、顔色悪いよ…蓮君のことで驚き過ぎ?」
私は大きくフルフルと首を横に振った。
「蓮君はね、玲也さんに話をしていたの。…兄さんの会社にインターンに行くって…だから…それって…つまり…。」
理子も最初は意味が分からず私の話を聞いていたが、途中で気が付いたよようだ。
「ゆ…ゆ…唯!ま…ま…まさか…兄さんの会社って…兄さんの会社って…。」
理子も驚き過ぎて、言葉が出てこないようだ。
唯と理子が驚くのも無理はない。
蓮はお兄さんの会社でインターンをすると言っていたのだから、蓮のお兄さんの会社とは、このブラックローズ社という事になるのだ。