迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。

「それでは、今日もインターンの研修を始めますね。」

花と蓮に笑顔をつくった。

すると、二人は私の様子がおかしい事に気が付いたようだ。
それも当然かもしれない、いくら取り繕って笑顔をつくっても目が真っ赤になっていたことは隠せない。

すると、花は小さな声を出した。

「男にでも振られたのかしら…かわいそうね。」

花の嫌味かも知れないが、まさにその通りで何も言い返す言葉が無い。
すると、蓮が口を開いた。

「花宮先輩に対して失礼なことを言うなよ。」

蓮にたしなめられたことに、花は面白くないようだ。
すると、花はとんでもない事を言い出した。

「私、聞いちゃったんです。花宮先輩の元彼は和田部長の娘と結婚するそうですね。私は娘である彼女と同級生だったんです。麗香(れいか)はお嬢様で可愛いですもんね。」

花は直人の彼女と同級生だったのだ。聞きたくなかったが、彼女の名前は麗香というらしい。
こんな偶然があるのだろうか。

まさか、これは偶然ではなく、和田部長か麗香が私の様子を探るために花を私に近づけたのだろうか。

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