迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。

ここで嘘を言っても仕方がない。
開き直るしかないだろう。

「宮森さん、あなたの言う通りです。でも、部長のお嬢さんが同級生とは驚いたわ。」

すると、花は口角をあげて楽しそうに話し出したのだ。

「私は麗香に頼まれたのよ。この会社にインターンに行ってくれとね。そして部長に頼んであなたを私達インターンの教育係にしてもらったのよ。」

「そ…れでは、あ…あ、あなたは、まさか私に近づき監視役だったという事なの?」

「まあ、アルバイトにしたら率は良いし、スパイみたいで楽しかなぁ…なんてね。」

それまで黙っていた蓮が、たまらない表情で突然大きな声をあげた。

「宮森さん、もうこれ以上なにも言うなよ。ようするにお前は、部長たちに金で雇われてインターンに来たってことか…悪いけど、そんな考えの人とは一緒に居たくない。…帰れよ…本当はインターンなんて来たくなかったんだろ。」

蓮の迫力に花は何も言わず固まっている。


< 43 / 110 >

この作品をシェア

pagetop