迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
玲也は目を閉じて一呼吸すると、ゆっくり目をあけた。
「僕には親が勝手に決めた婚約者がいるんだ。もちろん、僕は了承していない。何度も断っているんだ。しかし、彼女は世界でも名の知れたホテル王のご令嬢で、この婚約が成立すれば、ブラックローズ社の化粧品をホテルのアメニティ化粧品にすると父親が勝手に話を進めている。」
蓮は話を聞いて大きな声をあげた。
「そんな話、初めて聞いたよ。なんだよそれ…あのクソ親父。」
玲也はさらに話を続けた。
「確かに有名ホテルで使われていれば、宣伝にもなるかも知れない…でも、俺はブラックローズの化粧品をそんな風に使われたくないんだ。それに、俺の結婚相手は自分で決める。親父の言いなりにはならない。」
確かに玲也の言っていることはわかる気がする。
このブラックローズ社の化粧品は、女性たちを美しく輝かせる化粧品だ。
この化粧品を愛している人だけに使って欲しいと私も思う。