迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
「唯ちゃん、俺とこのブラックローズ社のために、協力してくれないか…頼む。」
玲也は私の目の前で頭を下げたのだった。
「れ…玲也さん、頭をあげてください。これまで、玲也さんにはたくさんお世話になっています。こんな私で良ければ、協力します。でも、本当に私なんかで良いのですか?」
私の言葉を聞いて、玲也は私の両手を掴んだ。
「ありがとう!唯ちゃん。嬉しいよ。」
すると、横で聞いていた蓮が声を出した。
「兄さん、唯ちゃんを面倒なことに巻き込むなよ…もし悲しませるような事が有ったら、僕が許さないからね。」
なんだか、とんでもない事になってしまったようだ。
引き受けてしまったが、大丈夫なのだろうか。
確かに私もこのブラックローズ社の化粧品をホテルのアメニティにはしたくない。
それが、どれだけ高級ホテルであっても、そんな使われ方はされたくない。
ブラックローズ社の化粧品に対する想いは、私も同じである。