迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
「なにを言っているんだ、勝手な事言い嫌がって!唯の恋人だと?嘘ばっかり言ってんるじゃねえぞ!!」
青柳君は玲也に向かって、叫ぶような怒鳴り声をあげた。
すると、いつの間にか現れたのは、秘書の瀬谷さんだ。
瀬谷さんは冷静な表情で、持っていたノートパソコンを開き、何かを読み上げだした。
「青柳さん、あなたはダミー会社をいくつも使って、詐欺をしていましたね。パートナー企業として共同経営を持ちかける。そして信用させると、設備通しをさせて大きな借金をつくらせる。そして助けを求めて来た会社の肩代わりをしてあげる代わりに、その会社を乗っ取る。相手を信用させて地獄に陥れる…汚い手口ですね。」
青柳君はさらに逆上して真っ赤になって瀬谷さんを睨んでいる。
「お前は橘の秘書か?あることないこと言いやがって…訴えるぞ!」
瀬谷さんは静かに話を続ける。
「訴えるならどうぞご自由に。お困りになるのは貴方様の方ですよね。」