迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
玲也は唯の言葉を聞いて少し驚いた表情をしたが、次の瞬間フッと小さく笑った。
「僕は唯ちゃんが言ってくれたような男じゃないよ…面白味もないつまらない男だ。自分でも嫌になることがある。」
「そんなことありません!玲也さんは優しくて素敵な男性です。私は大好きです。」
私は自分の言った言葉だが急に恥ずかしくなった。
勢いで言ってしまったが、これでは愛の告白になってしまう。
玲也は恥ずかしさで俯いていた私の頭にそっと手を置いた。
「ありがとう…では、僕の婚約者さん。これからよろしくね。」
すると、横からパチパチと拍手が聞こえて来た。
それまで何も言わなかった杏ちゃんとなっちゃんが笑顔で拍手をしているのだ。
驚き過ぎて忘れていたが、杏ちゃん、なっちゃん、瀬谷さんが横で全部聞いているではないか。
「唯ちゃん!おめでとう!」
その横で瀬谷さんは、呆れ顔で溜息をついている。
「あ…あの…違うの!これには訳があってね!」