迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。

京子は本郷に背中を押されるように、その場から去ったが、蓮は心配そうに唯を見た。

「京子さんから言われたことは、気にしないほうが良いよ。兄さんは何を考えているか分からないけど、結局兄さんと京子さんの問題だからね。」

私は蓮に聞いてみたいことがあった。

「ねぇ、蓮君聞きたい事が有るんだけど。」

「…なに?」

「玲也さんは、昔から京子さんとの婚約を拒んでいたの?」

「…そういえば…小さい頃から、天王寺家の人達と会うことはあったけど、昔は結構仲良くしていたような気がするな。」

蓮の話を聞いて、疑いは確信となった。

玲也はなにか理由があって京子さんとの婚約を断っている。

それはブラックローズ社のことだけではなく、なにかを玲也は隠しているに違いない。




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