迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
玲也にそこまで言われると、これ以上追及はできないが、何か理由がある事はわかった。
すると玲也は、なにも言えず黙っている私の顔を覗き込んだ。
「唯ちゃん、ちょうど良いタイミングかも知れないから、僕の親父に合ってくれないかな。」
「お…お義父様にですか?」
「うん、僕の父親はフランスに居ることが多くてね…たまに母さんに会いに日本に来るんだ。今週末に日本に着くらしい。唯ちゃんと結婚することを了承してもらうつもりだよ。」
玲也さん簡単に言っているが、お義父様に会うなんて大事件だ。
私を良く思っている訳がなく、きっと何か言われるに違いない。
「あの…本当に私なんかが結婚相手で良いのでしょうか?玲也さんなら、京子さん以外でも、沢山の素敵な女性が玲也さんと結婚したいと思っていますよね。」
すると、玲也は私の左頬に自分の右手を添えた。
突然の出来事に心臓がドクンと跳ね上がる。
「嫌な思いをさせるかもしれないけど、僕が必ず守るから。」
「そ…そんな…守るなんて…ちょっとお会いするのは恐いですけれど、私は大丈夫です。お世話になった玲也さんへお返しが出来るなら嬉しいです。」
「ありがとう。唯ちゃん。」