迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
ゆっくりと唇を離した玲也が、すまなそうな表情で話し出した。
「ごめん…唯ちゃん。これでは青柳と僕も変わらないね。弱味につけ込んだ酷い男だ。」
私は玲也の言葉を遮るように、自分から玲也に口づけた。
驚いた玲也は目を大きく見開いた。
「玲也さん。そんな事を言わないでください。私は玲也さんの事を…」
すると今度は玲也が私の言葉を遮って話を始めた。
「それは、僕の口から言わせて欲しい…唯ちゃん、僕はいつの間にか君から目が離せなくなってしまったんだ。もちろん、初めはそんな下心なく、弟の責任をとるつもりだったが…毎日、君の明るい笑顔や一生懸命な姿を見ているうちに、惹かれていったんだ。」