迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。

そんなある日、珍しく秘書の瀬谷さんが営業部にやって来た。

なにか急いでいる様子だ。
そして、マネージャーになにか伝えると真っすぐに私に近づいて来た。

「花宮さん、急ぎの用事があります。すぐにCEO室に来てください。マネージャーには今許可をとりました。」

「…あの…どうして…」

「とにかく急いで来てください!」

瀬谷さんはそれだけ言うと、自分に付いて来るようにと無言で歩き出した。
私は意味もわからず急いで付いて行くしかなかった。

そして玲也のいるCEO室の前で立ち止まり、瀬谷さんはノックすると返事を待つことなくすぐにドアを開けたのだった。

よほど急いでいるのだろう。

部屋に入ると応接には男性と女性が座っていた。
その正面に玲也が座っている。

すると瀬谷さんは私に玲也の隣へ座るよう促した。


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