迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
真紀が部屋を出た後、皆が言葉を失い沈黙した。
その沈黙を破るように話し始めたのは玲也だ。
「すまない…いつまでも自由で子供の妹を許してくれ。」
続いて声を出したのは京子だった。
「…真紀ちゃんは、小さい頃からお兄様が大好きだったのを覚えているわ。…大好きなお兄様を取られたくないのよね。」
京子の誤解が解けて、少しホッとした矢先の出来事に、驚いた私は何も言葉が出なかった。