迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
その日の夜、玲也は仕事で帰りが遅くなると言っていたので、私は一人で簡単に夕食は済ませていた。
休みの日にゆっくりと煮込んであったカレーを温めて白米にかけた。
その時、突然家の呼び鈴が鳴ったのだ。
「こんな時間に誰だろう?」
このマンションのセキュリティーはかなり厳しい。
怪しいと思われる人はフロントで止められるはずだ。
私は戸惑うことなくドアを開けた。
そこに居たのは、今日CEO室で初めてお会いした真紀だった。
「ま…真紀さん、こんばんは…」
真紀は私の顔を見ると、あからさまに嫌な顔をした。
「ここはお兄様のマンションなのに、なんであなたが居るの?やはりずうずうしい女ね。」
真紀は私にぶつかりながら、強引に家の中に入って来た。
少し足早に真紀はリビングへと向かった。
私は後ろを追いかけながら、真紀に声を掛けた。
「あの…夕食は済んでいますか?もしよろしければ、ご一緒にいかがですか?」