捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 イオレッタとアルディの力で元の勢いを取り戻した群生地を後に、イオレッタは森の奥に進んでいく。たしかに群生地は元に戻ったが、新しいところを捜した方がいい。誰にも知られていない場所を。
「アルディ、お願い」
『あるよー、南に十分くらい行った場所』
「ありがとう!」
 ポイズンリリーの群生地発見。アルディがいてくれてよかったと思うのはこういう時だ。アルディについていったら、目の前にあったのは小さな群生地だった。
 イオレッタが新たに発見したというよりも、先に気づいた人も小さな群生地なので取らない方がいいと判断したのかもしれない。
「この群生地、もうちょっと育てたいなあ」
『やる? やっちゃう?』
「やっちゃおうか!」
 やった、と声をあげてアルディが土の中に潜っていき、イオレッタの魔力がぐんぐん引き出されていく。そしてイオレッタが目を開いた時には、目の前の群生地は姿を変えていた。
 今までの五倍以上の広さに薬草が広がっている。これだけ生えていれば、必要なだけ持って行っても問題はなさそうだ。
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