捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして

　採取がメインのイオレッタと違い、クライヴ達はあちこち出かけている。遠出をして依頼を一つ片づけたら、数日休みにするというのが彼らのスタイルだ。
　休みにすると行っても、武器や防具の整備もあるし、レオニードはこういう時に神殿で修行するらしいので、完全な休日というわけでもないようだ。
　クライヴは魔術師なので、普段剣を使うことは少なく、今回は剣の手入れは不要だったそうだ。そんなわけで、今日は魔物の生態について新たな発見がないか調べていたらしい。勉強熱心である。
「これからどうするんだ？」
　クライヴに問われて、イオレッタは首を傾げた。
「そうですねえ、市場でお買い物をしてから帰ります。食材が足りなくなりそうですし」
「付き合う。今日は、あいつらもいないしな」
　タデウスとレオニードは、今夜は遅くなりそうだという。
「大丈夫ですよ。慣れた道だし」
「それはわかるが、早めに依頼を片付けたやつらがそろそろうろうろし始める頃合いだから、心配だ」