捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
早めに戻ってきた冒険者達は、もう最初の一杯を飲み終えて、二軒目に流れようとしている頃合いだそうだ。普段は、この時間帯はもう家にいるから気がつかなかった。
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
帰宅途中、荷物まで一緒に運んでくれる。
窓のところにゼルマがにやにやしながら張り付いているのに気がついて、肩から力が抜け落ちてしまった。
** *
イオレッタの目の前には、病で床に着いた母がいた。
「ねえ、お母様。どうして、精霊使いであることを皆に言わないの?」
祖母は精霊使いではなく精霊師。ベルライン家は代々精霊と契約を結んできた家系だ。なのに、母ときたら精霊と言葉をかわすことができるくせにできないふりをしている。
(お母様に精霊使いとしての力があったら、お父様だってお母様のことを嫌だって思わないでしょうに)
イオレッタの父は、この家に精霊使いとしての力をもたらすために婿入りした。
イオレッタのことはあまり好きではないのだろうなということは、イオレッタもうすうすと察知している。
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
帰宅途中、荷物まで一緒に運んでくれる。
窓のところにゼルマがにやにやしながら張り付いているのに気がついて、肩から力が抜け落ちてしまった。
** *
イオレッタの目の前には、病で床に着いた母がいた。
「ねえ、お母様。どうして、精霊使いであることを皆に言わないの?」
祖母は精霊使いではなく精霊師。ベルライン家は代々精霊と契約を結んできた家系だ。なのに、母ときたら精霊と言葉をかわすことができるくせにできないふりをしている。
(お母様に精霊使いとしての力があったら、お父様だってお母様のことを嫌だって思わないでしょうに)
イオレッタの父は、この家に精霊使いとしての力をもたらすために婿入りした。
イオレッタのことはあまり好きではないのだろうなということは、イオレッタもうすうすと察知している。