捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
「イオレッタ。あなたにはわからないかしら? お母様は、魔力で縛って精霊に言うことをきかせることがどうしてもできないの」
それなのに、「精霊使いとしての力を持たないから」という理由で父を縛り付けてもいいのだろうか。わからない。母の気持ちがイオレッタにはまったく理解できない。
「精霊は、お願いしたら願いをかなえてくれるじゃない。魔力を欲しがるけれど……」
そう口にしたら、母は表情を変えた。
「あなたにはわからないわ! あなたは、私とは違う! 私は――私があの人を得ようと思ったら、力を使わずにいることしかできなかったの! あなたにはわからない!」
パァンッと高い音がして、イオレッタの頬が鳴る。熱い、と思った次の瞬間、母に打たれたのだと理解した。
「どうして?」
母が、イオレッタを見ていないのはわかっていた。
それなのに、「精霊使いとしての力を持たないから」という理由で父を縛り付けてもいいのだろうか。わからない。母の気持ちがイオレッタにはまったく理解できない。
「精霊は、お願いしたら願いをかなえてくれるじゃない。魔力を欲しがるけれど……」
そう口にしたら、母は表情を変えた。
「あなたにはわからないわ! あなたは、私とは違う! 私は――私があの人を得ようと思ったら、力を使わずにいることしかできなかったの! あなたにはわからない!」
パァンッと高い音がして、イオレッタの頬が鳴る。熱い、と思った次の瞬間、母に打たれたのだと理解した。
「どうして?」
母が、イオレッタを見ていないのはわかっていた。