捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 生まれつきのものならば、これはもうどうしようもないのだろう。精霊使いが、特定の家系に多く生まれるという理由に納得した気がした。
「それってもうどうにもならない?」
「前、聞いたことがあるんですけど、精霊の好む魔力になるためには、精霊が苦手なものは体内に入れない方がいいらしいんですよ。お酒とか激辛は苦手な精霊が多いんですって。うちの精霊も、アルディ以外は辛みは苦手です」
「んー、それじゃー無理だねー。俺、お酒も激辛も好きだからねぇ」
「レオニードさんは、そのままでいいと思いますよ?」
 レオニードとの会話は楽しいらしい。いつもよりも、イオレッタの声が弾んでいることにまで気づいてしまう。そんな彼女から目が離せない。レオニードの前で楽しそうなのは、ちょっぴり、面白くないけれど。
「皆さん、ありがとうございます。私を誘ってくださって――今、すっごく楽しいんですよ!」
 ピカピカの笑顔でそんなことを言われてしまったら、それ以上の言葉はいらないような気がしてくる。
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