捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
平民のイオレッタに王族が目を付けたとなると、そのあとあまりいい展開にはならないだろうなというのは容易に想像つくわけで。
「冒険者組合は王族の横暴な要求についてはつっぱねるつもりだが――その、自由恋愛と言われてしまうと、こちらは口を挟めない。いや、イオレッタがそれでもいいから王族と会ってみたいというのであれば、無理強いはできないんだが」
「やめときます」
王族に目をつけられたら、王宮に連れていかれて力を振るうことを要求されるだろう。
イオレッタはたしかにそれなりの力を持っているけれど、王族がその気になれば平民一人つぶすことはたやすい。専属契約を下とか王族と恋に落ちたとか、強引に冒険者組合から引き抜く手段もきっといろいろとある。
(……面倒なことになりそうなら、この街を出ていくという手もあるけれど)
できればそれはしたくない。
ここから離れるとなると、ゼルマを置いていくことになるし――それだけじゃない。クライヴ達とももう会えなくなってしまう。
「冒険者組合は王族の横暴な要求についてはつっぱねるつもりだが――その、自由恋愛と言われてしまうと、こちらは口を挟めない。いや、イオレッタがそれでもいいから王族と会ってみたいというのであれば、無理強いはできないんだが」
「やめときます」
王族に目をつけられたら、王宮に連れていかれて力を振るうことを要求されるだろう。
イオレッタはたしかにそれなりの力を持っているけれど、王族がその気になれば平民一人つぶすことはたやすい。専属契約を下とか王族と恋に落ちたとか、強引に冒険者組合から引き抜く手段もきっといろいろとある。
(……面倒なことになりそうなら、この街を出ていくという手もあるけれど)
できればそれはしたくない。
ここから離れるとなると、ゼルマを置いていくことになるし――それだけじゃない。クライヴ達とももう会えなくなってしまう。