捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
でも、この国を離れたくなかった。あの時、真っ白な世界で、どちらに行ったら帰れるのかわからなくなってしまった時。
イオレッタを呼び戻してくれたのはクライヴの声だった。
(たぶん、私はこの人のことが好きだ――だけど)
イオレッタの気持ちがどうであれ、クライヴに告げるつもりはない。きっと、告げても迷惑になるだけだろうし。
「私の力って、貴族社会では役に立たないと思うんですよ。遠巻きにされて、敬遠されるだけになるのもなんだかなぁって――」
ベルライン家に復帰することも考えた。クライヴと釣り合いが取れるとまではいかなくても、ただの平民でいるよりは近くなれる。
そんなわけで、クライヴにはなんとなく相談しにくかったのだけれど、思いがけず、ゼルマとセルヴィハがいい相談相手になってくれた。
悩んで悩んで、ものすごく悩んでイオレッタが出した結論は。
「私は、冒険者としてやっていこうと思っています。その方が、身軽に動けそうですからね」
イオレッタを呼び戻してくれたのはクライヴの声だった。
(たぶん、私はこの人のことが好きだ――だけど)
イオレッタの気持ちがどうであれ、クライヴに告げるつもりはない。きっと、告げても迷惑になるだけだろうし。
「私の力って、貴族社会では役に立たないと思うんですよ。遠巻きにされて、敬遠されるだけになるのもなんだかなぁって――」
ベルライン家に復帰することも考えた。クライヴと釣り合いが取れるとまではいかなくても、ただの平民でいるよりは近くなれる。
そんなわけで、クライヴにはなんとなく相談しにくかったのだけれど、思いがけず、ゼルマとセルヴィハがいい相談相手になってくれた。
悩んで悩んで、ものすごく悩んでイオレッタが出した結論は。
「私は、冒険者としてやっていこうと思っています。その方が、身軽に動けそうですからね」