捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 前伯爵もトラヴィスも、見方によっては犠牲者だ。彼らを許すつもりはないけれど。精霊師の力を次代に繋げることにこだわるつもりもない。
「そちらはどうなんです?」
「あー、王太子の座を一度返上することになった。他国の貴族を巻き込んで、とんでもないことをしでかしたからな」
 エグバートもまた自らの行いの償いを求められることになった。
 王太子の座にふさわしくないとして、王太子の地位から下ろされた。今は、王家の直轄領で謹慎中。
 スィア湖での被害については、エグバートの私的な財産から賠償することになったそうだ。死者が出ていないのが幸いである。
 王太子の地位については、クライヴや彼の弟達も含めて新たに選定し直すことになったそうだ。
 エグバートも、今後の功績によっては、再び王太子の座に返り咲くこともあるかもしれないが、そのためには、非常に大きな功績を立てる必要が出てくるし、多少の努力では王宮に戻ることすら許されないだろう。
(……そうね、そのあたりが落としどころでしょうね)
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