捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
「違う! ちゃんとした申し込みだ!」
きっぱり断言してくれたので、イオレッタも安堵した。それなら言うことなんてない。
「セルヴィハがうるさそうだ。あいつもイオレッタを気に入っているからな」
「クライヴさんが気に入っているのと、意味が全然違うと思いますよ」
クライヴがいて、タデウスがいて、レオニードがいる。時々セルヴィハにちょっかいを出されて、家に帰ったらゼルマと二人で会話して。
ベルライン家で一人だけ、家族として認められていなかった頃、夢見ていた幸せが全部ここにある。
「よろしくお願いします!」
イオレッタは、クライヴの方に手を差し出す。握手のつもりだったけれど、クライヴはその手を握ったまま歩き始める。
きっと、これからもこんな生活が続くのだと思ったら、それも悪くないのではないかと思う。
「ねえ、クライヴさん。私、あなたに言わないといけないことがあるんですよ」
「なんだ?」
「あのですね、スィア湖で精霊神様が精霊寄せの香でお怒りになった時――」
きっぱり断言してくれたので、イオレッタも安堵した。それなら言うことなんてない。
「セルヴィハがうるさそうだ。あいつもイオレッタを気に入っているからな」
「クライヴさんが気に入っているのと、意味が全然違うと思いますよ」
クライヴがいて、タデウスがいて、レオニードがいる。時々セルヴィハにちょっかいを出されて、家に帰ったらゼルマと二人で会話して。
ベルライン家で一人だけ、家族として認められていなかった頃、夢見ていた幸せが全部ここにある。
「よろしくお願いします!」
イオレッタは、クライヴの方に手を差し出す。握手のつもりだったけれど、クライヴはその手を握ったまま歩き始める。
きっと、これからもこんな生活が続くのだと思ったら、それも悪くないのではないかと思う。
「ねえ、クライヴさん。私、あなたに言わないといけないことがあるんですよ」
「なんだ?」
「あのですね、スィア湖で精霊神様が精霊寄せの香でお怒りになった時――」