捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
母と結婚したあとも、交際していた女性と父の縁が切れることはなかった。その女性が産んだのがシャロンである。
(……不満があったのは知ってるのよね)
トラヴィスの目が誰に向いているのか、わからないほど鈍くはない。それでもいいかと放置してきたのはイオレッタだ。
トラヴィスが本気ならば、彼の方から破談に向けて動くべきだと思っていた。
「ああ、だが。その問題も解決できることとなった」
「解決、ですか?」
カップを手にしたまま、イオレッタはきょとんとした顔になる。どう解決するのだろう。
トラヴィスは、勝ち誇ったような笑みを投げかけてくる。せっかく顔がいいのに、今の笑顔は悪人面以外の何物でもない。
「ああ、シャロンが精霊使いとしての能力に目覚めたのだ。ならば、シャロンと俺が結婚するのが当然だろ?」
「……なるほど」
イオレッタは十七歳、シャロンは十六歳だが、大人になってから、精霊使いとしての能力が目覚めることがないわけではない。
(そうね、たしかにこの人の言うことに間違いはないわ)
(……不満があったのは知ってるのよね)
トラヴィスの目が誰に向いているのか、わからないほど鈍くはない。それでもいいかと放置してきたのはイオレッタだ。
トラヴィスが本気ならば、彼の方から破談に向けて動くべきだと思っていた。
「ああ、だが。その問題も解決できることとなった」
「解決、ですか?」
カップを手にしたまま、イオレッタはきょとんとした顔になる。どう解決するのだろう。
トラヴィスは、勝ち誇ったような笑みを投げかけてくる。せっかく顔がいいのに、今の笑顔は悪人面以外の何物でもない。
「ああ、シャロンが精霊使いとしての能力に目覚めたのだ。ならば、シャロンと俺が結婚するのが当然だろ?」
「……なるほど」
イオレッタは十七歳、シャロンは十六歳だが、大人になってから、精霊使いとしての能力が目覚めることがないわけではない。
(そうね、たしかにこの人の言うことに間違いはないわ)