捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
冒険者組合で買える解毒薬は、既知の毒にしか対応していないから、ソムと契約できてなかったらかなりまずい状況だった。呪いと併用していたことといい、クライヴを確実に殺す気だった。
「ゴルフィアを出るのはまあいいんですけど。前にも話しましたけど、永住する気もなかったですしね」
 気ままな一人暮らし。どこに行こうが、イオレッタの自由。
 食べていくには困らないし、問題はない。
「じゃあ、次はどこに行くか考えなくちゃ」
 まだゴルフィアにいるつもりだったので、どこに行こうかまったく考えていなかった。どうしよう、と悩むけれど、冒険者組合のアリスに相談すれば問題ないか。
「あー、もしよければ、なんだが、俺達が本拠地にしている町に行かないか?」
「本拠地ですか?」
「国境を越えたロシードという街だ。ここと同じように自然が豊かだし、採取者としても生計を立てやすい。俺達の顔も利くから、こういった輩は入り込みにくいしな」
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