君のそばにいたい 〜『君が望むなら…』続編〜
 彼とともに生きると決めるのも、それは私の自由。
 私はそれを彼のおかげで気付いた。私のために変わってくれた彼のおかげで。

 私の好きになった、彼のおかげで…

 私は立ち去ろうとする彼を急いで呼び止める。

「カイト、行かないで!!…こんな私でも、もう一度貴方とやり直せる…?」

 必死な私。

 彼はこちらに振り返り、とても嬉しそうに笑みを浮かべた。

「ああ、アネア…!!僕を望んでくれるなら、君とともに行くよ。今度こそ、想いを通じあわせて君と進もう!」


 
 ある日の真昼。

 老婆ではない質素な姿の私と並んで歩く、シードの姿の彼。

 街で出会った彼の仕事相手が尋ねる。

「シードさん、しばらく見なかったね。おや、ずいぶんな美人を連れているが、あんたが好いていたあのアギー婆さんは?」

「ああ。…アギーは亡くなってね…彼女は孫娘なんだ。悲しみに暮れていた僕は彼女の強さと優しさにとても救われてね、一緒になろうと決めたのさ」

 カイトはターバンに半分隠れた顔で、そう穏やかに笑った。


 私は自分の決めた道を生きる。
 彼がともにと望んでくれるなら、それは二人で進む道になるのだろう。

 私は生まれ変わって今度こそは、自分の決めた彼と生きていく。

 この先にどんな困難が待ち受けようと、私を望んでくれた彼と互いを想い続けられる、そのかぎり……


< 24 / 24 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

きらめきテレスコープ

総文字数/8,372

青春・友情17ページ

表紙を見る
君がくれた幸せ

総文字数/7,967

恋愛(その他)13ページ

表紙を見る
テッシーくんのおやつ日記 & おやつ旅日記

総文字数/4,499

ファンタジー5ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop