君のそばにいたい 〜『君が望むなら…』続編〜
さらに一年以上が経ったある日、一人の男が私を訪ねてきた。
かなり身体の線の細い、まだ少々若い男性らしい。
“らしい”というのは、顔の半分近くがターバンで隠れているから。
「この私に、何のようだい」
私はばれないよう喋り方に気をつけながらそう尋ねる。
すると彼は笑っているらしく、明るい口調でこう返す。
「なに、この店には気の強い良い女がいると聞いてね。…本当に良い女だ」
一体何のつもりなのだろう?
誰も目もくれないこんな“老婆”をわざわざ訪ねて来た上、こんな悪い冗談を言うなんて。
「…年寄りをからかうんじゃないよ!用が無いなら帰るんだね」
私本来の気の強さが出て、思わず早口になってしまう。
言い終わってから話し方が老人らしく無いのではないかと心配したけれど、彼に気にした様子は見られない。
「気の強い婆さんだ、良かった良かった。…僕は歳上好みでね、婆さんみたいな気の強い女が好きなんだ。実はある人を探していてね」
と、ひょうひょうとした感じでそう返し、こちらをじっと見つめてくる。
私は急いで顔を逸らし、気を取り直して言った。
「…私はあんたみたいな若造に見覚えはないよ。仕事に戻るんだ、さあどきな」
かなり身体の線の細い、まだ少々若い男性らしい。
“らしい”というのは、顔の半分近くがターバンで隠れているから。
「この私に、何のようだい」
私はばれないよう喋り方に気をつけながらそう尋ねる。
すると彼は笑っているらしく、明るい口調でこう返す。
「なに、この店には気の強い良い女がいると聞いてね。…本当に良い女だ」
一体何のつもりなのだろう?
誰も目もくれないこんな“老婆”をわざわざ訪ねて来た上、こんな悪い冗談を言うなんて。
「…年寄りをからかうんじゃないよ!用が無いなら帰るんだね」
私本来の気の強さが出て、思わず早口になってしまう。
言い終わってから話し方が老人らしく無いのではないかと心配したけれど、彼に気にした様子は見られない。
「気の強い婆さんだ、良かった良かった。…僕は歳上好みでね、婆さんみたいな気の強い女が好きなんだ。実はある人を探していてね」
と、ひょうひょうとした感じでそう返し、こちらをじっと見つめてくる。
私は急いで顔を逸らし、気を取り直して言った。
「…私はあんたみたいな若造に見覚えはないよ。仕事に戻るんだ、さあどきな」