君のそばにいたい 〜『君が望むなら…』続編〜

　彼はそれから毎日私を迎えに来るようになった。

　私に親しげに話し掛ける彼を見てからか、今まで私をほとんど気にしなかった周りの人たちの私を見る目が少しずつ変わっていく。

「…あのアギー婆さんに、また男が来ているよ。モテるねえ、どうやってたぶらかしたんだか」

「何かの間違いでしょう？彼、まだ若いわよね。お婆さんのお孫さんではないのかしら？」

「あんな婆さんの何がいいのやら。馬鹿な男だ…」

　私の今までの振る舞いのおかげで私を老人だと思い込んでいる周りの人たち。

　普段は深く干渉しようとせず気にも止めなかった者も、この風変わりな色恋沙汰には興味を持ったらしい。


「…本当に馬鹿な男だね、あんたにまで良からぬ噂が立っているじゃないか。分かっただろう、もう私に近寄るんじゃないよ！」

　私は呆れて言い放つ。
　しかし彼に諦める様子はない。

「アギー、僕は貴女が好きなんだ。僕は周りに何と言われようと構わない」