仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
「な、なんでも、ないんだけど……ちょっとびっくりしちゃって」

「?そうか、安心するまで兄ちゃんの背中に隠れてていいからな」

「うん、ありがとう……」


なんだかお兄ちゃん、頼もしく見えてきたなぁ……。


そして……コツコツッと足音が近づいてくる。

ゴクリと息を呑んだ。


まさかぁ、私を探してるはずがない……はずが、ないんだけど……。


「椎名さんですか?」


そう、声がした瞬間に肩がピクッと震えた。


「はい、そうですけど……」


黒瀬さんと喋るお兄ちゃんのスーツをぎゅっと掴んで、隠れ潜む。

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