仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。

「後ろに隠れてる、お嬢さんとお話しがしたいんですけどいいでしょうか」

「……すみません、あいにく妹は気分が乗らないようでして」

「それなら庭に出ましょう。外の空気を吸えば、少し良くなるかもしれない」


少しずれて黒瀬さんの顔を見ると、とってもにこにこ微笑んでいた。


作りものみたいだったけれど。


そしてお兄ちゃんはイライラしているように見えた。


「では僕が妹の代わりに行きますよ」

「嬉しいことなのですが、椎名千幸さんにしか話せないことなので……」


私にしか、話せないこと……?
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