仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。

「すぐ終わります」

「じゃ、じゃあ……少しだけなら」

「ふふっ、ありがとうございます。ではこちらに」


黒瀬さんにそう言われて、ぎゅっと優しく手を握られた。

手を引かれて、少し歩いて行く。


名前も身長も似てるし……なんだか黒瀬さんを見てると、忍くんに会いたくなって来ちゃうなぁ。


「あれからまだ少ししか経っていませんが、何かまた危ない目には遭ってませんか?」


ふとそう聞かれた。


「はい。特には」

「それはよかった。もうすぐ着きますよ」

「は、はい……」


手、忍くんと温度が似てる……。

世界には3人ぐらい、自分に似てる人がいるって言うし……そう言う感じなのかな?


うーんと考えていると……


たくさんの綺麗なバラが咲いた、庭が見えた。
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