仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
パーティー【II】
「俺と婚約しませんか?」
どうしたらいいのか、わからないっ……。
お兄ちゃんも誰もいない、なんて答えればいいのかなぁ?
あわあわしていると、黒瀬さんがまた「ふふ」と笑う。
「ゆっくりでいいです。いつまでも待ちますから。少し考えておいてください」
「えっ?あ、あのっ……!ごめんなさい!」
会話が終わってしまいそうなところに、慌ててつっこんでしまった。
深く頭を下げてそう謝った。
「私、そ、そのっ……好きな人、がいて……婚約は、できればしたくないなぁって……」
お嬢様に生まれた以上、せいりゃくけっこん……おうちのために結婚することだって、あるとは思ってた。
それも、こんなに偉いお金持ちさんと婚約、結婚の約束ができるだなんてどれだけすごいことだろうか……。
「ああ、そのことなら安心してください」
「えっ?」
あ、安心……!?まさか、忍くんに何かするんじゃ……!!