仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
「俺が——」

「坊っちゃん、お父様が呼んでらっしゃいますよ」

「……ああ、わかった行く。椎名さん、話、考えておいてね」


にこっとカッコいい笑顔をして、執事さんと共に行ってしまった黒瀬さん。


話……次、どうやって断るか考えないといけないなぁ……。


「千幸!」


黒瀬さんがどこかに行ってから、すぐにお兄ちゃんが来た。


「大丈夫か!?変なことされてないか!?」

「う、うん、それは大丈夫だよ」

「それはっ……?じゃあ、どうしたんだ!」


泣きそうなぐらいに心配そうな顔をしながら、私にそう言ってくれるお兄ちゃん。


「実は、ね……婚約しないかって言われちゃって……」

「婚約!?」


今度は目をまん丸にさせる。


「断ったんだけど、なんだかあやふやにされちゃって……」

「そうか、怖かったな……大丈夫、兄ちゃんがなんとかするから」


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