仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
「……嬉しいけど、俺があげたいんだ。」

「そ、そっか。なら、私もあげたい!」

「千幸は俺と一緒にいてくれればそれで十分だよ?」

「それなら私も忍くんといれるだけでいい!」

「千幸……」


思い切って言ってしまった……。


自分で言ったくせに、ちょっぴり……いや、めちゃくちゃ恥ずかしいかもしれない……。


「……じゃあ、この話はやめよう。千幸のこと、もっと好きになっちゃうから」

「え、えへへ……私も」


確かに、こんなに忍くんのこと大好きなのに、これ以上大好きになっちゃったらもうどうなるかわからない……!!


いずれ、忍くんはいないのに見えるようになっちゃったりして!


「あ……見えてきたよ」

「え?も、ももももしかして……!!」


あれが、綾人くんのおうち!?


忍くんが嫌そうにそう言った。

私も忍くんと同じ方を見ると、忍くんの家より少し小さいかな、ぐらいの立派なお屋敷があったのだ。


緊張してきたっ……でも大丈夫、忍くんもいるし!


ふぅと息を吐いて、ワクワクドキドキしている私だった。
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