仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
綾人くんのお屋敷に着いた。


忍くんの車から降りて、手を握られて、執事さんに案内されながら忍くんと歩いている。


「忍くん、す、すっごいお家だね……!!」


ワクワクしながら忍くんにそう尋ねてみた。


すると……。


「そうかな?俺の家もっとデカいからわからないな」

「あ、あはは、そっか」


そう言われてしまった。


なんだかムスッとしてるし……本当に綾人くんのこと嫌いなんだなぁ。


誰かが前から走ってきた。


「千幸ちゃーん!」


そう言いながら、手を振っている。

あれは、綾人くんだ。


「綾人くん……!お邪魔してます」


ぺこりと頭を下げた。


綾人くんのお部屋に向かっていたのだけれど、お迎えに来てくれたみたいだ。


ということで、執事さんは別のお仕事に行ってしまった。

次に案内をしてくれるのは、綾人くんだ。


「千幸ちゃん、そのワンピースすごく可愛いね」

「あ、ありがとう……!」

「綾人、千幸が借りてたドレスは執事が持ってくる。もう帰るからな」

「えー、もう帰るの?」


し、忍くん、もう帰っちゃうの……!?


思ってたよりも早かったなぁ。

だけど忍くんが嫌なら、私も早く帰りたいかもしれない。
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