仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
「……あ、そうだ千幸ちゃん」
「ん?」
「また新しいドレスを作ろうと思うんだけど、千幸ちゃんモデルになってくれない?」
「えっ?」
「は?」
私とそろって反応した忍くん。
「わ、私なんか務まらないよ!」
モデルさんなんて無理無理……!!
スタイルも良くないし、恥ずかしい。
「千幸ちゃんだからいいんだよ、千幸ちゃんをイメージした可愛い服を作りたくて……」
「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけど、やっぱりモデルは無理かなぁ……」
綾人くんは優しいな、そんな嘘をついてまで私のことを褒めてくれるだなんて……。
どんどん機嫌が悪くなっていく忍くんをみてみぬふりしながら、綾人くんと会話をしていた。
「そっか……それは残念だなぁ。じゃあいつかまた頼むね」
「う、うん」
その時には、スタイル良くなってるといいな。
「じゃあ、もう帰ろうか」
「も、もう……?」
忍くんににっこり微笑まれながら、そう言われてしまった。
やっぱり忍くんは、帰りたいんだ。
「あれ、まだいたいの?」
「うーん……」
忍くんが帰るなら私も帰るけど……。