仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。

「ねぇねぇ、忍くんと綾人くんって仲良しなの?」


そう聞くと、2人ともピクッとして動きが止まった。


よくわからなくて私も止まってしまうと、忍くんが笑いながら答えてくれた。


「まさか、そんなわけないよ」


返事は意外なものだった。


私、てっきり仲良しになれたのかと思ったけど……。


うーん、どうしたらいいんだろう。


「そうだよ。うーん、なんて言えばいいかなぁ。ライバル?」

「ら、ライバル……?」


綾人くんがそう言う。

ら、ライバルって競争相手だよね?


「うん、ライバル。千幸ちゃんのこと好き同士」

「……へっ?」


そして私はふと思い出した。

あれだけ悩んだことを……!!


ふざけてだと思われるけど、綾人くんに告白されたという出来事だ。


「こういうの、三角関係って言うんだよね?」


忍くんに向かってそう言った綾人くん。

嫌そうに忍くんは答えた。


「……まぁ、そうなるかも」

「えええ……!?」


私のこと、好き同士……?それは嬉しいけれど、信じられないよ……。


じゃあ、綾人くんの私への好きは、本物ってこと……?
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