仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
*
車について乗り込むと、忍くんがやっぱりムスッとしていた。
「し、忍くん……」
「ごめん千幸、心配かけたくなくて名前呼びしてたんだ」
「し、心配……?」
「俺たち仲悪いからさ、千幸が心配しててそれで仲良いふりしてた」
「そ、そうだったんだ……」
忍くんが綾人くんと仲良くしたい、なんて演技してるようには見えなかったけれど……。
でも、私のために頑張ってくれてたんだな。
「ありがとう、忍くん。私のために」
「ううん、千幸のためならなんでもできるから大丈夫」
「あはは……」
私の彼氏さんは、本当に優しいみたいだ。
「それより……どうする?綾人のこと」
綾人くんのこと……?
三角関係、ってやつのことかな?