仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。



車について乗り込むと、忍くんがやっぱりムスッとしていた。


「し、忍くん……」

「ごめん千幸、心配かけたくなくて名前呼びしてたんだ」

「し、心配……?」

「俺たち仲悪いからさ、千幸が心配しててそれで仲良いふりしてた」

「そ、そうだったんだ……」


忍くんが綾人くんと仲良くしたい、なんて演技してるようには見えなかったけれど……。


でも、私のために頑張ってくれてたんだな。


「ありがとう、忍くん。私のために」

「ううん、千幸のためならなんでもできるから大丈夫」

「あはは……」


私の彼氏さんは、本当に優しいみたいだ。


「それより……どうする?綾人のこと」


綾人くんのこと……?

三角関係、ってやつのことかな?
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